橋本真一 、山本一慶にインタビュー!東京凱旋公演が発表された舞台『メサイア -黎明乃刻-』への思いを熱く語る!

軍事協定『ワールドリフォーミング』により、兵器による戦争はなくなったが情報戦争が激化した世界。そこで生きるスパイ『サクラ』の候補生たちの姿を描いた『メサイア』シリーズ。

その最新作舞台『メサイア -黎明乃刻-』が9月5日(木)~9月8日(日)に東京のシアターGロッソ、9月14日(土)~9月16日(月祝)に大阪のメルパルクホール大阪にて上演され、更に9月19日(木)〜23日(月祝)に東京・中野ZERO大ホールにて凱旋公演が行われる事が発表された。

3年に渡って描かれてきた刻シリーズが完結する節目となる今作の主演を務める橋本真一(小暮洵 役)と山本一慶(雛森千寿 役)にインタビューを行った。

作品への思い、お互いの信頼関係についてなど熱く語ってくれた。

Q.今作では3年に渡って描かれてきた刻シリーズがついに完結しますが意気込みを聞かせてください。


橋本:同じ役にずっと向き合い続けられる機会はなかなか無いんですが、大事にしてきた作品ですし、大事に演じてきました。自分の為だけでなく、他のキャストやスタッフさん、そして何よりお客さんのためにも、自分が出来る範囲のことは1つも中途半端にせずに、自分の役を大事にしてやる事が、お世話になった方やお客さんの想いに報いる事になると思うので、そこはこだわって小暮を演じ、雛森との関係性も大事にしながら作品に向かっていきたいと思います。


山本:3年という月日が刻シリーズにはあって、僕は途中から参加しましたが、真一は僕より先にやっていて。そんな中、2人でメサイアを組むようになって、そこから舞台3本と映画1本をやっているんですけど、なかなか2人の話が進展していかず、お互い謎の過去を持っていて、2人で話し合うことも多かったです。だからこそ、お客さんにも謎がありつつも、この2人の仲が深まっていく感じが伝わっていったと思います。だからお客さんには今、この2人の過去について「どうしてこの2人は寄り添い合っているのか?」という事を色々考えてもらっていると思うので、それが今回やっと答え合わせのように、そして3年の集大成という事も交えて2人でやれるという事は凄く光栄です。そして何よりもお客さんの期待値が高い公演になると思うので、それに応えられるように今から僕ら自身も楽しみで「やってやるぞ!」という気はあります。


Q.黎明乃刻はどんな作品になると思いますか?


橋本:小暮の観点から見た時に、これまで肉体的にも精神的にも雛森にずっと助けられてきました。元々の感情表出が乏しい小暮が感情を出す瞬間っていうのも、全部自分のためなんですよね。自分の心を守るためだったり、フラストレーションを吐き出す為に感情を爆発したりすることは何度かあったんですけど、雛森のために何かをしたっていう事は、今までまだ1度もなくて。相手を想っての心と心のぶつかり合いが、まだ出来てないというか。小暮は今まで自分に向いちゃっていたので、ちゃんと雛森に対して何かをぶつけて、心を救ってあげて、僕も雛森に救われて。そういうメサイアとしてあるべき姿、完成形といいますか。黎明乃刻では、お互いが支え合い、ぶつかり合いたいなって思います。


山本:この2人で過ごす時間も長かったし、凄く愛すべき作品に僕の中でもなっています。2人の周りって実は凄い謎だらけで、その謎に筋が通った時に僕らのメサイアは完成すると思っていて、今からワクワクしているし、早く知りたいし、実現化してあげたいと思っています。
今回、刻シリーズが完結ということで、何で刻シリーズなのかっていう事について、お客さんが「刻って、こういう事だったのかな?」「だからこれで完結出来たんだな」って思ってもらえるように完結出来たら良いなと思います。僕らも刻シリーズ完結を背負いきり、それを象徴出来る2人の関係性になったら素敵だなと思います。


Q.役作りの際に心がけている事や気をつけている事があったら教えてください


山本:この2人は真逆なんですよ。


橋本:僕は、演じる役の人生の一部が台本になっているだけであって、描かれていない過去があるから現在があって、過去の出来事があったから、こういう人間になって、こういう発言をする、行動をする。現在が過去を作ると思っているんです。
だから、メサイアという作品に関わるまでは、そういう事を凄く大事にしていて台本に書かれていなければ自分で全部補充して、過去にどういうストーリーがあったかという事を色々考えたりして演じて作っていたんですけど、メサイアに関しては僕が今まで役作りの上で基調としていた過去の部分がほぼ無いから、シリーズの出演1作目の「暁乃刻」に関しては「もう本当にどうしよう?どう作ろう?」っていうトンネルの中に入ってしまって・・・。
暁の時は雛森がいなかったので、一嶋との関係性の中で小暮を作ろうとか、有賀と一緒に行動する時間が長かったので有賀の事がめっちゃ好きで憧れているという設定を作って、関係性で小暮を見せていこうと考えました。
今は雛森との関係性の中で小暮の役作りをしていますが、まだ描かれていない部分もやっぱり多いので小暮と雛森だけでなく、橋本真一と山本一慶との関係性を大事にして役に投映している部分も凄くあります。結果として、メサイアでは今まで僕が作ってきた役作りの仕方とはちょっと違うアプローチで作っています。さらに言えば、その新しいアプローチの仕方が、最近では他の作品にも活かせるようになってきたように思います。


山本:(橋本の話を聞き、微笑みながら)真面目でしょう?真面目なんですよ。
僕は逆に台本にある事が全てであって、台本からの逆算なんですよね。過去があるから現在なんだけど、現在があるから僕は過去がある方向性に考えているんです。それが、もし台本を読んで解らなかったら、お客さんにも伝わるわけが無いんですよね。だから台本に書かれていることで僕は十分だなって考えなんですけど、雛森に関しては、かなり難しかったんですよ。
台本に書かれていることの言葉の表現と真逆を要求されて。台本上の言葉は凄く、あたりが強い人間だったんですよ。だから最初は強い口調だったりしたんですけど、1日目の稽古が終わった後に「もっと可愛く愛する事ができるような、そういう方向性で作ってみて」って言われた時に「台本と話が全然違う!こんなに答えが書かれない台本あったか今まで!?」っていうくらい台本上だけでは伝わらないものがあって、かなり苦戦しました。
それに周りのキャラクターが完成している中に入っていく上で、自分のキャラクター探しっていう時間があって、いきなり昨日と芝居が違っていたりしたので迷惑をかけたかもしれないです。
でもそういう点では、雛森という役はいつもとちょっと違う形で新鮮に作れた役だと思っていて「あ、こういう風にキャラクターを作ってもいいんだな」という感じで台本と向き合えたので、自分としては面白く作らせてもらったキャラで愛着も大きいです。

Q.お互いの印象、良い所、凄いと思う所はどんな所ですか?


山本:真面目なんですよ(笑)。凄く真面目で「そんなところまで考えていたらパンクするよ?そこは適当でも良いんだよ?」っていう事も凄く細かいところまで考えたりするんですよ。芝居に対してもそうですし、プライベートでも結構細かかったりするんですよ。でも、だからこそ出来上がった芝居も、細かいところまで見ているので、粗がないんですよね。やっぱり一本筋通っていて。小暮の心の動きも、一本筋だから確かに通っているものがあって、それは素敵なところだなって僕は思いますね。


橋本:大きい目線、客観的な視点を一慶は持っていて、演出家の目線も持っているっていうか。そういう点では僕と逆のタイプかなと。広い範囲で客観的に物事を見られる器の大きさだったり、視野の広さっていうものがあったりするので、僕の主観的に考える事が悪い方向に向いた時には、ちゃんと軌道修正もしてくれるので、身も心も預けられるというか。大きく構えてくれているので、逆に自分がどんどん主観的に詰めていったとしても、一慶が見てくれているからという所で凄く安心感があります。


Q.真逆な考えという事ですが意見がぶつかりあって喧嘩になったりはしないんですか?


橋本:ぶつかり合う事は無いよね。


山本:そう言われてみれば、ぶつからないね。


橋本:意見がぶつかり合う事がほとんど無いんじゃないかな?何かあったとしてもクリエイティブな話になるだけで。


山本:そうだね。なってないね。



Q.メサイアシリーズ初の凱旋公演が決まりましたが感想を聞かせてください。


山本:メサイアでは初の試みという事なんですけど、役者としてはありがたいです。公演を増やしてもらえるという事は、お客様が応援してくださっている、そして期待値があるからっていう事もありますし、役者として東京・大阪で培ったものを持って凱旋が出来るという事は、この作品に対して見つめ直す時間だったり、改めて冷静に考える時間をいただけるんだなっていう事なので僕は楽しみです。


橋本:日々公演を重ねるにつれて、芝居も変わっていきますし、どんどん良くなっていきますが、色々な芝居をチョイスをした上で最後にもう1回出来るっていう事は役者として、その機会はありがたいし貴重だし、良い事しかないんじゃないかなって思います。


Q.最後にファンの皆様へメッセージをお願いします。


橋本:メサイアというシリーズの中での刻、それは小暮洵として、雛森千寿としての時間だけじゃなくて、僕自身3年間メサイアに関わってきて、僕が役者を始めて9年ぐらい経つんですけど、3分の1を小暮として生きてきているので、本当に大事にしてきた役、作品になっています。
でも、これは僕だけじゃなくて、一慶も、他のキャストの皆も、スタッフさん1人1人も同じ気持ちだと思うし、卒業を発表した西森さんや毛利さんにとっても本当に大事な集大成になると思います。
もし、この作品を無下にするような人がいたとしたら許せないですし、それぐらいみんなの想いや愛が詰まった作品になると思います。
黄昏で見せてくれたサリュートの姿じゃないですけど本当に信念を1本通して、いろんな想いを背負って、最後この作品に挑んで、みんなの想いが昇華されていく、報われていくような作品にしたいですし、それを期待してほしいなと思います。


山本:シリーズ完結ということで、最初お客さんの反応が凄く怖かったんです。でも実際、袖で聞いていたら、お客さんからは喜びとも言えないような、悲鳴もあれば、ザワザワが凄いというか・・・何とも言えない感じで。だから僕らは、何だか不思議な気持ちだったんですよね。
でも、単純に僕らの成長だったり、小暮・雛森の成長だったり、2人の関係を描くということで、安心して刻シリーズが終わるっていう事のドキドキだったりワクワクだったり、普通に楽しんでこの作品を見られるという想いを持ってもらいたくて。
終わってしまう悲しみもありますけど、僕らは終わった時に「わぁ、終わったね。」ってお客さんが思っていただけるように全力を尽くしますし、西森さんと毛利さんもラストということで全力を注いでくれると思うので、誰1人欠けることなく全力を尽くして出来上がったものを楽しみにして見ていただけたら良いなと思います。


スタイリスト:越中春貴(atelier RIM)

ヘアメイク:工藤聡美


インタビュアー:山岸一之

写真:菅原美彩


【舞台「メサイア -黎明乃刻-」公演概要】


【公演期間】

東京:2019年9月5日(木)~9月8日(日)シアターGロッソ

大阪:2019年9月14日(土)~9月16日(月祝)メルパルクホール 

東京凱旋公演:2019年9月19日(木)〜23日(月祝)


【スタッフ】

原作・ストーリー構成:高殿円「MESSIAH 警備局特別公安五係」(講談社刊)

脚本:毛利亘宏(少年社中)/演出:西森英行(Innocent Sphere)


【出演】

橋本真一 、山本一慶 / 長江崚行、近藤頌利 / 小谷嘉一 、石渡真修、三原大樹、山崎大輝、菊池修司 //大高洋夫 // 村上幸平、輝馬 / 内田裕也 // 藤木 孝 ほか





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