11月24日、映画『MANRIKI』と雑誌『フィガロジャポン』による1夜限りのスペシャルトークイベントが二子玉川 蔦屋家電にて開催され、斎藤工、永野が登壇した。
映画『MANRIKI』は、すでにアジアやフランスの映画祭で受賞・入選するなど話題沸騰中だが、作品作りが始まるきっかけは、永野が斎藤に「小顔矯正にハマっている人達を見て、図画工作などで使う万力で締めるという映画があったら面白いんじゃない?」という冗談からだったという。
永野について斎藤は「永野さんの世界は独創的でアーティスティックで唯一無二のもの。何層も奥行きがありますね。」と絶賛すると、永野は「僕は斎藤君を、いわゆるセクシー俳優という感じでは見てないですね。そこじゃないところ、いろんな映画とか芸術の話をして盛り上がってきたところがあったので、好きになったのはそういう所ですね。」と相思相愛な様子。
お互い感想について聞かれると「聞き飽きましたね。」「言い飽きましたね。」とコメントするほど、何度もお互いの魅力については語った様子でもあった。
今作の撮影担当を勤めたフォトグラファーの荒井俊哉について斎藤は「ファッションの面から『MANRIKI』を切り取ってもらったので、アートフィルムとしても成立する世界を作り出してくれました。」と映画の魅力について語る。
更に永野が「最近、尖るって世の中では少し恥ずかしい事だって感じがありますが、そんな中で尖った、カッコイイ映画が出来たので、映画を見たら、みんなビックリするかもしれませんね。」とコメント。作品の出来に確かな手応えを感じている様子であった。
トークショーの最後に斎藤は「永野さんに出会って僕が初めて感じた違和感というかネタの中にある世界観は言語化出来ないものだったんです。僕は映画というものは言語化出来ないものを表現出来るものだと思っています。MANRIKIでは、その言葉に出来ない思いを込めました。僕が素晴らしいと思っている世界が純度100%で出来たので、是非劇場で味わってもらいたいです。」と熱い思いを語りトークショーを締めくくった。
トークショー終了後、記者陣の取材に応じた2人は今作品を演じる事について心がけた事について語ってくれた。
斎藤は「演じない事ですね。スイッチを入れて立ち上げるというよりは、いつ撮ったとしても、カットがかかった後でも、そう見えるというか、そうあるという事が究極のお芝居だと思っていますね。今回は永野さんと3年をかけて作りあげた世界観、映像、企画だったので、僕は俳優として台本を見直す事を一度もしないくらいでも出来上がっていったというか。他の作品も含めて、もっと純度を高めて前段を自分の中で膨らませて、本番の瞬間だけではなく、自然とその役であるという事が究極なんじゃないかなと今回思いましたね。」と語る。
すると永野も「僕は役者ではないので、次元は違うと思うんですが、確かに演じようという事はしなかっというか。僕は自分の中にある「コイツ」っていうものを出しました。自分と全く違う人をやるという事は僕にはできないので、僕も演じないという事は心がけましたね。」とコメント。
お互いジャンルは違う表現者ではあるが、1つの作品の中での表現の形というものには共通点がある事、そして2人の絆の強さを改めて感じさせてくれた。
映画『MANRIKI』は11月29日より東京・シネマート新宿ほか全国で順次公開される。
(文・写真:山岸一之)
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